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窓から差し込む太陽の光は時間の移ろいとともに刻々と変化して見えます。
 
最もドラマティックな時間帯は「日の出」と「日の入り」の前後頃でしょうか。
劇的に変わる光の色・・・。
 
このページではその「どうして?」の疑問をはじめとして、
太陽の光が影響するいろいろなお話をしたいと思います。
そろそろお茶のお代わりはいかがですか? 
 
  
 

はこちらからご覧ください。

 
 
 

一日の光の色が変化して見えるワケ
 

「灯りのこともっと知りたい」のページでは照明の種類によって「色温度」が違い、それによってモノの見え方が変わる・・・という事をお話しました。
実は、太陽の光にも「色温度」があって、時間とともにそれは変わっているのです。
下の図は自然光の色温度と人工光源(照明)の色温度とを比較をしたものです。

 
 
 
 

日の出前の光は影もなく輝きもない、静寂そのものの少し遠慮がちな灰色と白です。
単位面積あたりに届く光の量を「照度」といいますが、この時点の照度はまだとても低いのです。
 
時間が経ち、日が昇ってくると次第に照度も高まり、色は白から青色を帯びてゆきます。
「サンサンと降り注ぐ太陽は赤い」と、皆さん誰でもがそうイメージしていると思いますが、実は日中の太陽光はスペクトルの各波長のエネルギー比がほぼ等しいので、光色は白っぽく見えるのです。
太陽が高くなるにつれ、スペクトルの中で赤・橙・黄色の長波長が優勢になってくるため、光は青色から黄みを加えてゆきます。
そして、午後になると赤みを帯び、やがて夕暮れの光の色へと変わってゆくのです。

白から青へ。そして黄・橙から赤へ・・・。
まるで光の「スペクトル」そのものではありませんか!!
そうなんです。大気は、大〜〜きなプリズムになっているんです!!
  
また、私たちの生活の(一般的な)リズムは自然界のサイクルが基準になっています。
左の図でもおわかりのように、最も影響を与えているのは、何と言っても「自然光」(太陽光)だと言えるでしょう。

私たちは日々、その壮大な光のドラマを見ては自然の偉大なる語り掛けに感動し、また感謝しているのです。

 
 
 
 
 
 
日本のキッチンはおおむね東〜東北の位置にあることにお気づきですか?
 
東側の太陽は確か朝の冷たい光でしたよね・・・。
キッチンでは水仕事がとても多く寒いのにどうしてこの位置にあるのでしょう?
それは、つまりキッチンの食べ物が腐らないように・・・との配慮からなんですって。

 
ちゃんと理由があったんですね。恐るべし。日本の住宅!!
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太陽の影響ってものすごい!!
 

私たちの生活リズムは太陽の営みによるもの。でしたよね。個々における最も基本的なレベルです。さてさて。実はもっともっと大きなレベルで、太陽の光は働きかけているのです。

それは日本各地・世界各地の気候や風土がつくり出すそれぞれの「文化」なんです。

太陽光線と空気の透明度(自然環境)は、そこに住む人々(民族)の嗜好色や色彩感覚にとても大きな影響を与えていると言われています。
各地域により、太陽光の当たり方によって色の反射率が違ってくるため、色の見え方も違ってくるからなんですね。

 
 
 

 
 
 
その違いは建造物(宗教的建造物を含む)を中心とした街並みの色彩や、人々の服装(民族衣装を含む)などからも印象付けられることが多いようです。
世界各国の国旗もまた、大きな影響を受けているものの一つといえるでしょう。

 
 

日本はどう影響を受けてるの?

日本の風土を少し復習しましょう。
 
 
 
ご覧のように日本を取り巻く海洋には、「黒潮」・「親潮」と呼ばれる海流が流れています。
 
黒潮」は世界の2大海流のうちの一つで、赤道海域から発生する(暖水域=ウォームプール)有数な暖流です。黒潮は古くから海上貿易や温暖な気候をもたらす海流として身近な存在でした。
流速は速い所で時速7kmにもなる強い流れなのです。(大人の小走り程度の速さ)
 
親潮」は北太平洋北部に半時計回りに流れる亜寒帯循環で、とても栄養分を多く含んだ海流です。
三陸沖から北海道東部で黒潮とぶつかり強い潮境を形成します。親潮の豊かな栄養潮が黒潮に暖められて、食物連鎖が形成された為、この海域は昔から豊かな漁場でした。

国土は南北に縦に長く、その長さは1,800km。中央には山脈が連なり日本を縦に縦断しています。
日照時間は表日本と裏日本ではかなりの差があります。表日本の年平均日照時間は2,060hに比べ裏日本は1750hと、かなり低くなります。
 
 
  
海に囲まれて、「四季」がある日本。
豊かな水と山の緑に恵まれ、しかも湿度が高く空気の透明感が低い。

・・・・それが日本の気候風土の大きな特色といえるでしょう。
そうした特色のもと、水や木などをイメージする穏やかな色と、しっとりとした陰影のある複雑な色彩感覚が育まれて来たのです。
 

表日本・夏

濁色(lt〜p)

表日本・冬

清色(dp)

■補足■
(色調・トーンのイメージ)
 
ltトーン:あさい
pトーン:うすい
gトーン:灰みの
ltgトーン:あかるい灰みの
dトーン:にぶい
dpトーン:こい

裏日本・夏

濁色(g〜d)

裏日本・冬

濁色(p〜ltg)



四季はまた、各土地々の光色の見え方をも変えてゆきます。
そして、それは都市づくり(街づくりや建造物など)にも大きく影響しています。たとえば、緑の多い都市は緑を。海に面した年は青を。またその逆で、日照時間が少ない土地は緑に憧れて緑を。白一面の雪国は目立つ色を・・・などという様に。
 

以上のような気候や風土の違いから、日本人の嗜好色や色彩感覚は、以下のように大きく分けられると言われています。

 

表日本・南側

暖色・清色

表日本・北側

寒色・清色

裏日本・南側

暖色・濁色

裏日本・北側

寒色・濁色

 
 
 

今、皆さんが住んでいる街の色は何色ですか?
 
普段はあまり気にして過ごさないかもしれませんが、建物の色は?街の色は?SHOPのウィンドウには何色の服が多いか?とか山は?海は?空は?・・・などとチェックしながら歩くのもすごく楽しいんじゃないかな。

また、ご自分の好きな色を思い浮かべると、もしかしたら、生まれ育った土地の色と関係しているかもしれませんよ。そんな事を考え始めると、とても不思議で何だかワクワクしてきませんか? 
 
ちなみに私が生まれ育ったのは長野県なんですが・・・。
「緑」が大好きなのはあの瑞々しい新緑が・・・。
「橙や赤」が好きなのは燃えるような紅葉が美しかった山々に囲まれて過ごしたから・・・・
なのかもしれません。
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では世界は?
 
赤道を境に緯度ごとに大きく分けるとだいたい次のように分けられます。
 
緯度 赤道00〜北緯20 北緯20〜北緯30 北緯30〜北緯40 北緯40〜北緯50 北緯50〜60 北緯60〜
国名 インドネシア・シンガポール・ベトナム・フィリピン・メキシコ 日本(石垣島・屋久島) インド・米(ロサンゼルス〜サンフランシスコ)・イラク・アフガニスタン・韓国 トルコ・スペイン・米(ニューヨーク)・イタリア・ドイツ・フランス・ チェコスロバキア・イギリス・ロシア ノルーウェ・スェ−デン・フィンランド・米(アンカレッジ)
太陽
輝度色
白〜赤〜黄 赤〜黄 黄〜緑〜青 青〜紫
色彩感覚 極彩色 中間色 濁彩色 単純色
特徴 明るく冴えた暖色系・多彩な色彩
濃く深いコントラストが大きい
中明度・中再度 灰色がかった曖昧は色調 空・海・森のイメージのあるブルーやグリーン
 
 
都市(街)の基調色をつくる要素として「気候風土」のほかに大切な要素として、その地域に産出する「土質」や「石質」があります。
 
また、「宗教色」という言葉がある通り、その国の「宗教」もまた基調色を特徴付ける大きな要素であるといえます。そのお話は、いつかまたすることにしましょう。
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太陽の光をあびて元気になろう!!
 

いきなり、唐突なお話でスミマセン。
 
イヌイットの女性は、北極圏の6ケ月にも及ぶ長〜い長〜い夜の期間、なんと生理が閉止してしまうんだそうです。それに対してイヌイットの男性は(都合のいい事に)(?)性的衝動が静止するのだそうです。
 
これは、極端な例だと言えますが、太陽光線の欠乏による紫外線不足が原因なのだそうです。一種の人間の冬眠なのだそうで、「えッ・・・?と・冬眠?人間が?・・・」と、驚きと同時に同じ女性としては、少し怖いようにも感じます。
 
そこで・・・

 
紫外線が不足すると?
 
太陽の光は「モノを見る」ためばかりではないんです。

実は、目の網膜が明るさに反応して、酵素やホルモンといった物質の分泌を、促進したり抑制したりしているんです。そうなんです。人間の生体の生理作用にも大きく影響していたんですね。植物と同じなんですよ。

具体的には、脳の下垂体・松果体・視床下部一帯・副腎機能等の衰え、ビタミンD欠乏症などがあり、紫外線はまた、病原菌を破壊する働きをも持っているのだそうです。

難しい単語が続いてスミマセン。

特に、下垂体・松果体・視床下部一帯は、内分泌系やホルモンの生成をコントロールするところですが、内分泌腺のすべては、「老齢化」ととても関連していますから、適度の太陽光線を浴びることは、若返りの第一歩といえるんですよーーー!!

ちなみに老齢化が進むと、内分泌腺が萎縮し消耗してしまうんですが、それによって最も影響を受ける腺は「甲状腺」・「下垂体」・「副腎」・「性腺」なんだそうです。これらの腺は光と紫外線によって最も影響されやすい腺なんですって!!

一方、「紫外線は美容の大敵!!」と、毎年、この季節なると各化粧品メーカーから、美白を心掛け、常に美しくありたい女性のために、日焼け止めクリームやファンデーション、化粧水や乳液に至るまで、ありとあらゆる化粧品が発売されます。最近は、どのメーカーも技術力がすご〜く高くって、どれもこれもとても優秀なんです!!最近買ったファンデーションなんて、きめが細かくて、どんなにお肌が荒れてても隠せちゃってホント・・・ん?話、それてます?

そうでした。紫外線・・・ですよね。

いくら健康のためとはいえ、やはり「適度に」が大切ですよー。浴びすぎて出来てしまった、「シミ」・「そばかす」は後で、ものすご〜く泣けますから・・・。
それに度が過ぎると、かえって有害になって「皮膚がん」のもとです。皆さん。くれぐれも「適度」に。ね。

 

太陽の光を浴びていつも健康で美しく。ココロも元気でいきましょう!

 
 

小さい頃、「ナイチンゲール」の伝記を読んだことのある方。きっと大勢いるかと思います。ナイチンゲールはイタリアのフィレンツェに生まれイギリスで育ち、そこで看護婦になりました。クリミア戦争で従軍看護婦としてスーパーウーマンのごとく献身的に働き、後の「ナイチンゲール賞」のもとになったのでした。

イタリアでは「太陽が当たらない場所に医者がくる」という諺があるそうですが、ナイチンゲールは日光が健康にとても重要だと、病室に日光を入れるよう主張し続けたのだそうです。
きっと、生まれた土地の太陽の光が、彼女に教えてくれていたんでしょうね。「ほら。私の光を浴びるとこんなにも気持ちいいのよ。」・・・て。

 
 
ニワトリの目に光を当てると、下垂体を刺激して卵をたくさん産むんですってーー。
 
 
ある色彩研究者は長い間、関節炎で苦しんでいたそうです。静養のためフロリダに住んだのですが、一向に調子はよくならなかった。・・・が、ある時今までしていたサングラスを壊してしまったそうです。サングラス無しで過ごした2,3日後。関節炎は劇的な変化を見せ回復に向かったそうです。また、風邪も引かなくなったそうな。
 
私達の最も身近な空間である住まいのインテリアを考えた時、窓はとても重要な部分であるといえるでしょう。
フロリダに行かなくても、できれば日光がそのまま入るような、まるでハウス栽培のような窓があったらとても理想的なんですが。やっぱり人間も植物と同じなんだなぁ・・・。だったら私はなんの野菜だろう。え・やさいなの?

 

 

参考図書
「人はなぜ色にこだわるのか」  村山貞也 / KKベストセラーズ
「色の秘密」 野村順一 ネスコ
「色の名前はどこからきたか」  福田邦夫 / 青が書房
「心を元気にする色彩セラピー」  末永蒼生 / PHP
「色の雑学知識」  渡辺洋子 / 駿台曜曜社
「色の雑学辞典」  岩本ちさと / クロマ色

 
 

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